2013-03-31

I'm still waiting

これは僕が21歳の頃の話。時給の良い肉体労働のバイトをしてわ、スロットで全部無くしてた頃の話。僕はこの感じで人生が終わるのかと思っていたし、それでも構わないと思っていた。



そんな不毛な頃、当時北海道の大学に進んでもうすぐ4年生になる友達から「こっちはスロット勝てるぞ。暇なら来い」という電話が来た。僕らの年齢だとスカイメイトというのに登録すれば飛行機代が半額だと教えてもらって、それ以外の詳細はほとんど聞かず、その電話の2日後に僕は北海道の北見市という場所にいた。おそらく僕にとって天国になるであろう土地。金だ金だあい。

実際のところ、本当に良かった。スロットの設定は高いのに、それを食い物にするようなプロもおらず、まさに天国だった。ここでスロットで食う為のノウハウを学んだ気がする。でもそれだけじゃなかった。北海道の女の子はとにかくかわいくて、とにかく優しかった。
友達もみんな優しかったし気が合った。パソコンに詳しい友達もいたのでそれも覚えたし、女の子を口説くのがやたらに上手な友達もいたのでそれも勉強になった。
北海道に行った当日に「心霊スポットに行きたい」と言ったらみんなで連れて行ってくれたし「牛の乳しぼりがしたい」と言ったら数日後にはやらせてもらえたし「合コンがしたい」と言ったらほとんど毎日開催された。「ウニが食いたい」と言ったらみんなでフォーク持って海に入った。ビックリマンが復刻した日には車で何時間もかけていろんな店を回ったし、友達が女の子を連れ込んだ日には隣の部屋で壁にコップを当てて数時間過ごしたりもした。
結局僕はこの土地に1年近く滞在し、僕にとっての青春はおそらくここだったと今になって思う



その一年で僕は運命的な出会いもした。相手にとってはそうでもなかったかもしれないけれど、少なくとも僕にとっては。

彼女はとてもきれいで、とてもスタイルが良く、とても性格が悪かった。


北海道に住んで数カ月した頃。夏が来る頃に僕はその子に出会った。僕は一目惚れし、必死で口説いて、いつものパターンに持ち込んだ。
そこまではいつも通りだったのだけどその後が違った。彼女はプライドがすごく高かった。僕は「ほっとけば連絡来るだろう」と思っていたのだけど、ほっといたらそのまま連絡は来なかったし、かといってこちらから連絡すると、それには時々返信がきた。僕が風邪を引いたとき「心が寒くて風邪を引きました。OOO(彼女の名前)という名の薬をください」と明石家さんま風のメールをしたらそれは予想通り無視された。
僕は彼女が好きだったし、彼女もそれなりの愛情表現はしてくれたので「じゃあ付き合おうか」というとそれは丁寧に断られた。でも後になってそれを聞くと「付き合ってたようなもんだよね」と言う。全く分からない。とにか難しい子だった。

僕はその子を想いながらも、うまくいかないので他の女の子と遊んだ。いっぱい遊んだ。男はそういうのができる。
たまにその子に連絡しては「反応が薄い」と思って、やっぱり他の女の子達にうつつを抜かした。
でも「誰が好きか」と問われれば迷うことなく僕は彼女の名を挙げた。でも他の子と遊んだ。

そんな日々にも終りが来た。一年後、僕が居候してた友達が大学を卒業することになったから。



大学4年の2月。最後に僕らはクラブでパーティーをした。ゲストDJを呼ばずに400人を越えたので、あれは田舎にしてはかなり大きなパーティーだったと思う。

その日、僕はいろんな友達と話をしたり乾杯をしたりで忙しかったのだけど、時間を作って彼女とクラブ前の階段で話をした。内容はほとんど覚えてないけど「本当は僕はすごく好きだったんだよ」とか「私はそれなりに好きだったかな」とかそういう甘酸っぱいやつ。
でも特にしんみりするわけでもなくて、僕らは「もうちょっと素直に言えてたらねえ~」くらいで笑いながら会話を終えて、その後は彼女と話すこともなくパーティーは終わった。



数日後。僕は居候してた友達と一緒に北海道を発つ日になった。僕らは全然荷物をまとめていなくて、当日に集まってくれた仲間がフル稼働で頑張ってくれて、なんとか夕方前には出発できた。その出発する直前に彼女が見送りにきてくれた。

みんなが気を遣ってくれたので 、からっぽになった部屋で僕と彼女の二人きりになった。この前みたいに笑って終わるかと思っていたのだけど、予想外に彼女が泣き始めた。あのクールな彼女が泣いた。本当はもっと素直になりたかったと言って泣いた。それを見てカッコつけてた僕も糸が切れて泣いた。


そして、出発の時に彼女に渡したのが「I'm still waiting / courtney pine」というレコード。渡した時に「タイトル通り、僕を待ってて」と僕は言った。何か変なものに取りつかれていたのかというほど寒いセリフだが、たぶんあのときは違和感がなかった。人生で1~2回は寒い事があってもおかしくない。なので今になっても恥ずかしくはない。本当はこの曲は「僕を待たないで。いつか素敵な人に巡り合えるから」と言って引っ越していく男の子に対して「あの時、彼はああ言ったけど私はまだ出会えてない。まだ待っているの」と女の子が引きずっているという歌詞なので、僕が待ってろと言って渡すにはちょっと違うのだが、それも気にしない。
初めて会った時は「お、かわいいこだな」って思っただけで別に運命とも思わなかったし、それ以降も結局一番かわいいのはこの子だよなと思ってただけで、大恋愛みたいなのとは程遠い軽い感じだったのだけど、この日から少し変わった気がした。


そして僕らはみんなに手を振りながら車で去った。 「意外とあっけないね~」とか笑いながら。思い出話しながら。たまに黙ったりしながら。






その2年後。北見市に残って大学院へと進んだ友達も卒業する時期になった。
「最後だから」と言う事で僕らはまたパーティーをする事になって、愛知県から駆け付ける事になった。彼女に会える。

 彼女に会えるとはいえ、僕はその頃に付き合ってる子いたし、そうでなくてもいろんな子と遊んだ。
なので一途な気持ちとは全然違う。でもすごく嬉しい。僕にも分からない。

パーティーが始まって、しばらくして「彼女が来た」と友達から教えてもらって、彼女が待ってる場所へ行った。誰も入らない控室のようなところ。僕は彼女を見て頭が真っ白になった。
真っ白になったから何も言葉が出ない。「あ、あ、あ、ひさしぶりだね。え、えっと」みたいな。

そんな僕に、彼女は「なーに緊張してんだ」と言ってキスしてくれた。力が抜けたし、文章で説明できないほど惚れた。腰が砕けるかと思った。人生でこんな経験ができるのはとても幸せな事だろう。


 僕は真っ白な頭で何か適当な会話をした。そして最後に「え、えっと。僕にはいま彼女がいるし、そうでなくてもチャラいし、言ってる事は適当だし、嘘も多いし、約束なんて守った事がないのだけど。。。でも、僕は有名になって君を迎えに来るから待ってて。それだけは守る。人生で一度くらい、ちゃんと守るから」と言った。彼女いるくせに堂々と。
「有名になる」というのはアバウトだし、難易度高いし、なかなかとんでもない事を言ってしまったなと今は思う。若気の至りというやつだ。 何か変なものに取りつかれていたのかというほど寒いセリフだが、たぶんあのときは違和感がなかった。人生で100~200回は寒い事があってもおかしくない。なので今になっても恥ずかしくはない。





あれから愛知に戻った僕は必死に頑張るかと言ったらそうでもなかった。忘れたわけでもなかったけど、まあほどほどにという感じだった。なにより愛知で付き合っていた彼女の事がすごく好きだった。一応レコードは買っていたし、スクラッチや2枚使いの練習はしていたけど有名になるために何かするわけではなかった。


でもある日チャンスが来た。小西さんに出会えた日。それ以降はもうどこかの日記に書いたような感じで事が進んで、僕はゲストDJとして札幌に行けた。有名と呼ぶには程遠いけどかといってあの頃の僕には考えれなかったような事なので、もちろん彼女にも連絡した。
しかし彼女はすでに結婚していて会えなかった。一途でもなかった僕に何も言う権利はないし、本気で迎えに行ったわけでもないけど、でもやっぱり少し悲しかった。



そんな事を想いながら、今日あの頃にもう一枚買った「I'm still waiting / courtney pine」を聴こうと思ったらレコードが割れていた。割れたレコードを見ながら「こんなレコード渡したけど、待ってたのは僕のほうだったかもな」と思った。


あの子は元気にしているのかな。僕は飲み過ぎてあまり元気じゃないです。


ばいばい。

2013-03-08

まとめて

●2月の第四金曜日。新宿でDJしました。

メンツがメンツだけにそんなに飲まないだろうと思っていたのだけど、ヨシくんが気を使ってくれて、頼んだウイスキーが多めに出てきて、これが飲みきれなかったのでコッソリとホシ君に飲ませたら、今度はホシ君が気を使ってくれて、お返しにとさっきの倍くらいの量のウイスキーで帰ってきた。こいつに苦戦してる最中にヨシくんがもう一度気を使ってくれてウイスキー持ってきてくれた。

誰かに飲ませたらお返しで増える。飲ませなくても増える。

朝方はOTOのスタッフのヨシくん、てつろうくん、高橋君と僕の4人でダラダラ話をした気がする。
この日のDJのメンツ楽しかったなあ。OTOやっぱり好きだなあ。と思った。


●次の日。マンガ喫茶で目が覚めた。どうしてここにいるのか全く分からない。最近、酒を飲むとすぐに意識が飛ぶ。こうも手軽に飛んでいいのだろうか。

起きた後は友達の家に移動して少し休ませてもらった。なぜかPSPを貰った。モンハン付き。

帰りの新幹線の中でモンハン開始。プレステ2の頃に1000時間くらいやって以来久しぶり。楽しすぎた。



●ばたばたと連絡が来て、4月に岐阜、6月に名古屋、8月に浜松でDJする事になりました。

こうやってオファーをいただくと「そろそろ何かリリースしなきゃなあ」と思うのだけど、いまはミックスCDをリリースしようとは思えないし、じゃあレコードでと思うのだけど、何を作りたいのか定まらない。

「どこかからリミックスのオファーでも来ないかなあ。冷や汗かくようなやつ」と思いながら酒でも飲んで過ごすことにします。